2014.11.27 CD/DVD教材ではなく、eラーニング動画をネットから配信する理由
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ITとICTの違い「コミュニケーション」
「eラーニング」とは何を指すのでしょうか。
ウィキペディアには下記のように書かれています。
eラーニング(イーラーニング、英語: e-learning, electronic learning)とは、情報技術を用いて行う学習(学び)のことである
(ウィキペディアから引用)
また、eラーニングに使用する機器について、下記のように書かれています。
パーソナルコンピュータ(PC)、CD-ROM、DVD-ROM、デジタルテレビ、携帯端末(携帯電話、PDA (携帯情報端末)等)など
(ウィキペディアから引用)
「eラーニング」の範囲としてモバイル端末での学習も含むのか、CDやDVDでの学習も含むのかという議論がしばしば行われていますが、私たちは「ICTを活用した学習」と定義しています。ウィキペディアに書かれていることと違う点は、「情報技術(IT)」ではなく、「ICT」であるということです。
I…「情報(インフォメーション)」
C…「コミュニケーション」
T…「技術(テクノロジー)」
ICTは上記のように、インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジーの略です。
つまり、「IT」と比べ、「コミュニケーション」がそこには発生します。そうなると、インターネットに接続しなくても学習可能なCDやDVDではコミュニケーションが発生しないため、私たちはeラーニングとは定義していません。
受講者同士のコミュニケーション
学習内容に関する質問をして、管理者からその回答があるというのもコミュニケーションの一つですが、私たちが重要視しているのは受講者同士のコミュニケーションです。受講者同士のコミュニケーションが実現することにより、大きく2つのことが実現できると考えています。
受講者のモチベーションアップ
例えばテストのランキングを表示したり、他の受講者がどこまで学習が進んでいるかということを公表すれば、現状の自分は全体のどのくらいのところに位置しているのかが把握でき、より高い位置に行くためにもっと学習しようというモチベーションアップにつながる可能性があります。スマートフォンのゲームではよく取り入れられている手法です。プロシーズが提供するLMSにも、受講者が許可すれば、自分の学習状況を公開できる機能があります。
受講者の「新たな気づき」の獲得
eラーニングはヒューマンスキルなど明確な正解がないような学習には、自動的に正誤判定ができないため、不向きとされてきました。
逆に、eラーニングに向いている学習は知識習得だと、長い間言われてきていました。明確な正解があるため、自動的に正誤判定を行うことができます。
(例:英単語や漢字を覚える、アプリケーションの操作方法を学ぶ)
しかし、最近ではeラーニングという学習形態の広がりにより、ヒューマンスキルなど正解が明確にない学習内容でもeラーニングが活用され始めています。
それが、「新たな気付きを得るコミュニケーション」学習です。
正解が明確にない学習では「過去にこのような成功事例がありました」という模範解答を示せても、明確な解答を示すことはできません。幾通りもやり方があるからです。
まずは、eラーニングではなく、従来から行われていたビジネススクールの例を見てみましょう。
ビジネススクールの場合
ビジネススクールでは、コミュニケーションを重視したディスカッションによる授業を行っています。解答が幾通りもやり方があるため、他の受講者がどのように考えて答えを導き出したかを知ることによって、新たな気づきを得ることができます。自分とは全く違う意見であれば、より気づきは大きくなります。
気づきを得ることで、他者が持っている思考パターンを手にすることができ、知見を広げることができます。
では、この気づきをオンライン上で得るeラーニングの実施方法を見てみましょう。
eラーニングの場合
対面でディスカッションを行うことができないという制約のあるeラーニングでは、SNSを利用し、オンライン上でディスカッションを行うことで、他者の解答から気づきを得ることができます。
SNSが発達している現在においては、オンラインでディスカッションを行うことが容易になりました。
従来からある「掲示板」や「コミュニティ」に加え、「リアルタイムチャット」の利用もまたディスカッションを可能にします。最近ではFacebookやTwitterで利用されている「タイムライン」のコミュニケーションを活用して気づきを得る方法も注目されています。
しかし、ここで重要なのはそのディスカッションで得られた気づきをどのように活かしていくかだと考えます。
eラーニングにおける「コミュニケーション」の今後の課題
まだまだ、ただディスカッションの場だけを提供するにとどまっており、そこで得られた気づきを進化させていく仕組みはほぼありません。
誰か一人が気づいたことを自分の中でとどめるのではなく、全員にシェアをすることで、全員の質を向上することができます。さらに、シェアすることで再度ディスカッションが始まり、知見がより一層広がります。
その他にも、気づきが自動的に集約され、自動的にカテゴライズされ、さまざまなパターンの思考が受講者にフィードバックされるなど…。
受講者に対して、より質の高い、バリエーションのある解答を提供できるようになれば、教育も、一人一人の仕事や生活もより発展していくことができるでしょう。
私たちは、そのような仕組みづくりに今後も取り組んでいこうと思っています。